アイラブユーの名訳

二葉亭四迷は、明治の日本が誇る文豪ですね。

四迷が言文一致運動をリードし、近代小説は、従来の文語文体から、話し言葉の文体へと変貌を遂げました。


そんな中、ロシア文豪ツルゲーネフの中編小説『アーシヤ』を、四迷が明治29年に露文和訳しました。

邦題は『片恋』(「かたこい」と読み、片想いのこと)。


その中で、主人公アーシャがロシア語で愛の台詞をささやきます。

英語でいうと、

I love you

に相当するのですが、四迷はこれを和訳するのに苦労したそうです。


理由その1: 明治期の日本において、いわゆる“愛”という考えが浸透していなかった。

理由その2: 19世紀のロシアでも、17才の女の子がストレートに愛を口にすることはありえなかった。


そして考えたあげく、二葉亭四迷がたどりついた翻訳文はこちらです。

死んでもいいわ


ゲームソフトのタイトルにも『きみのためなら死ねる』がありましたが、恋愛ドラマには欠かせないこの台詞の原点は、四迷の翻訳のようですよ。

ニンテンドーDS用